同族経営の矜持

最初に手に入れた自動車はスズキのワゴンRだった。ドラゴンズファンにはブルーが良かったのだけれど、無かったのでセカンドベストの深紅を選んだ。転勤の関係で何度も東名間を無理させることになり、走行距離の割には乗りつぶした感が強かった★スズキの鈴木修会長がいよいよ退くことになりそうだ。御年91歳。40年以上に亘って日本独自の軽自動車業界を牽引してきた。海外進出やトヨタとの提携など、大きな節目は幾つもあったろうが、孤独な稼業をこれだけ長く務められたのはなぜだろう★企業の寿命はどれくらいなのか。30年周期だとか、100年続いたら立派なものだとかいろいろあるが、同じ人物による経営を何年続けられるか、という問いにはまた違う重みがある★同族経営が仲良しクラブを意味しないことは自動車業界に限ったことではない。身内で多くを負うからこその厳しさや苦悩が容易に想像できる。コロナ禍で揺れる市中の中小零細企業も例外ではあるまい。