メールマガジンの基礎/効果的なメルマガの配信のために

メルマガ配信のメリットは導入ハードルの低さです。ほとんどコストをかけずに開始でき、特別なスキルがなくても運用できます。

 

ただし、メールを送るだけでは意味がないので、工夫を凝らして顧客に喜ばれる内容にしないといけません。効果的な配信の仕方を知っておきましょう。

 

今回は、メルマガ配信のメリットと配信方法・注意点について分かりやすく解説します。

 

1.メールマガジン配信のメリット

まずはメルマガの基礎としてメリットを見ていきましょう。

 

・コストを抑えつつ顧客との接点を増やせる

・顧客に継続的にアプローチできる

・ターゲットを絞ってPR活動を行える

・多くの情報を届けられる

・即効性がある

 

この5点について詳しく説明します。

 

◆コストを抑えつつ顧客との接点を増やせる

メルマガ配信は費用を抑えつつ効率的に情報発信できるのがメリットです。商品やサービスの宣伝方法は、広告を出す、DMを送る、チラシを配布する、電話をかける、ブログを書く、YouTube動画を投稿する、SNS運用をする、などたくさんありますが、コストをかけずにたくさんの人に見てもらうのは案外難しいです。

 

大々的に広告をだせば認知度が上がりますが、それなりのコストがかかります。DMやチラシは印刷・配布費用がかかるのがデメリットです。電話をかける方法だと電話代・時間・手間がかかる上に顧客の時間的余裕があるタイミングしかアプローチできません。

 

ブログや動画投稿、SNS運用は費用面では優秀ですが、SEO対策をしたり、人々の関心を集める投稿をして登録者数・フォロワー数を増やす必要があります。そうしないと、発信した情報を見てもらえないのが難点です。たくさんの人に見てもらうまでに時間がかかり、専門的なテクニックも必要です。

 

その点、メルマガはメールを作成・配信するコストだけで済み、登録した大勢の人に情報を見てもらえます。登録者数が少ないと効果が出ませんが、その課題さえクリアすれば低コストで効果的なPR活動が行えます。そして、メールを作るだけなので特別なテクニックを身に付ける必要もありません。

 

情報発信する方法が増えた今でもメルマガが生き残っているのは、かけたコスト以上の成果を出しやすいからです。メール配信サービスは無料~月額2,000円程度で利用できる安価なプランもあるので、予算が限られている企業でも取り入れることができるでしょう。

 

◆顧客に継続的にアプローチできる

メルマガ配信のメリットは、顧客に継続してアプローチできること。商品を購入した際にショップのメルマガに登録してもらえれば、その後も情報を届けることができます。顧客との接点が途絶えるとリピーターになってもらうのが難しく、新規顧客を開拓し続けないと売上をキープできません。

 

新規顧客を獲得するためには、既存顧客の維持の5倍のコストがかかると言われています。それに、マーケティングの世界では“パレートの法則“で「売上の8割は2割の常連客が生み出している」とも言われています。

 

このことから分かるのは、効率的に利益を伸ばすためには、リピーター獲得と常連客向けサービスの強化が重要だということ。そのためには、メルマガの活用が有効です。既存顧客への情報発信を続ければ、順調に売上が伸びる可能性が上がります。

 

また、自社に興味を持っている見込み顧客へのアプローチでもメルマガが活躍します。見込み顧客に魅力的な情報を送り続ければ、新規顧客の獲得につながるでしょう。

 

◆ターゲットを絞ってPR活動を行える

メルマガ配信のメリットは、ターゲットを絞れること。広告やチラシを配布して情報発信する方法だと、相手を選べません。全く自社に関心のない人にまで広告を配信したりチラシを配るのは非効率です。

 

メルマガの場合は登録者に情報発信するので、自社に一定以上の関心がある人だけが対象です。さらに、セグメント配信を利用すれば、より細かくターゲットを絞れます。

 

セグメント配信とは、顧客の属性や行動情報ごとにメール内容を変えること。不動産に関するメルマガの場合、住んでいる場所ごとに内容を変えられるので、顧客が欲しい情報だけを提供できます。

 

そして、マーケティングオートメーション等のツールを導入すれば、web上の行動によってセグメントすることも可能です。例えば、展示会に関するページを見た顧客だけに、展示会への参加を促すメルマガを送れます。

 

ターゲットを絞れると、開封率が上がり、さらにメルマガの配信解除率を下げることができるのがメリットです。

 

◆多くの情報を届けられる

メルマガ配信のメリットは、たくさんの情報を届けられること。何度もメールを送るので商品やサービスの詳細情報だけでなく、開発エピソードや利用者の感想なども顧客に伝えられます。

 

商品ページには書ききれない情報を発信したら、顧客の購買意欲がアップする可能性があります。商品自体にはさほど興味がなくても環境に優しい製品だと知って購入したくなる人、購入者のレビューを読んでいるうちに関心が湧いてくる人などがいるはずです。

 

何回でも配信できるので、様々な方向から商品の魅力をアピールできるのがメルマガの良さです。

 

◆即効性がある

メルマガ配信のメリットは即効性があること。メールの内容を考えるだけで顧客に届けられるので、急なキャンペーン開催でもお知らせでき、すぐに読んでもらえます。

 

さらに、世の中の動きに合わせて、タイムリーな戦略を実施できるのもメリット。流行っている商品のセールを催したり、自社サービスが話題になっていることをアピールすると効果的です。

 

広告やDM、チラシ等を使う方法は準備に時間がかかるため、即効性ではメルマガに劣ります。

 

2.メールマガジンの配信方法

ここからはメルマガを配信するツールとタイミングについて説明します。

 

■メルマガを配信するツール

メルマガを配信するツールは、“通常のメールアプリ”と“メルマガ配信システム”の2種類。いま利用しているメールアプリを使えば、コストをかけずに配信を開始できます。

 

ただし、個人情報の流出に十分に注意しなくてはいけません。BCC送信をするつもりでも間違って「TO」や「CC」にメールアドレスを入力してしまう恐れがあるからです。

 

それに、大量のメールを一斉送信するとサーバーに負荷がかかって配信遅延になったり、迷惑メールに振り分けられるリスクがあります。登録者数が増えたらメルマガ配信システムを使ったほうが安全です。

 

メルマガ配信システムとは、誤送信、配信遅延、相手に届かない、などのトラブルを回避しつつ、メルマガを簡単に配信できる機能が備わっているシステムです。開封率やクリック率が分かり効果測定できるのもメリットで、顧客の反応を見たいならシステムの利用をおすすめします。

 

無料で利用できるメルマガ配信システムもありますが、機能や登録アドレス数に制限があるのでサービス内容と予算を比較検討して選びましょう。

 

■メルマガを配信するタイミング

メルマガを配信するタイミングは、“定期配信”か“ステップメール”のどちらを選ぶかで異なります。定期配信の特徴は「毎週水曜日」など、送信するタイミングを決めてメルマガを届けること。顧客と定期的に接点を持てば繋がりが深まります。

 

定期配信のタイミングは曜日や時間帯も重要ポイントです。メルマガを読んでもらえる保証はないので、開封率の高い曜日や時間に設定しましょう。顧客のライフスタイル等によって見てもらいやすい時期が異なりますが、様々な曜日や時間の配信データを集めれば最適なタイミングが分かるはずです。

 

ステップメールは、設定した順番でメールを届ける方法。登録手続きをした顧客に、1通目は自社の紹介に関する内容、2通目は自社の売れ筋商品の紹介をする内容・・・と計画に沿ってメール配信します。

 

すべての顧客が1通目から目を通せるので、知らせたい情報を漏らさず伝えられるのがメリットです。それに、信頼関係を構築しやすく、上手く誘導できれば成約率が上がります。

 

ただし、どちらの方法でも、質の良い内容のメルマガを適切な間隔で送信しないと逆効果になるので気を付けてください。

 

3.メールマガジン配信の留意点

メルマガの配信を始めたら最新のリスト管理を徹底しましょう。配信停止の連絡をしたのに送り続けてしまうと自社のイメージが悪くなります。加えて、重複してアドレス登録をするミスも防がないといけません。同じ内容のメルマガを何通も送ったら顧客に迷惑をかけてしまいます。

 

他には、メールアドレスの変更手続きにも注意が必要です。変更作業を忘れて古いアドレスのままだとメルマガを届けることができません。手作業でリスト管理すると、これらの作業に予想以上の時間がかかる場合があります。

 

効率的にミスなく管理したいなら、メール配信サービスを導入しましょう。便利な機能があるサービスを利用すれば、リスト管理に関する問題が解決するはずです。

 

また、メルマガは配信後の効果測定が必須です。メルマガの効果は、Googleアナリティクスやメール配信サービスを使えば測定できます。到達率、開封率、クリック率などを参考にして、より効果的な内容に改善しましょう。

 

4.まとめ

メルマガは低コストで顧客と接点を増やせるのがメリットです。しかし、配信目的を明らかにしないと狙った成果を出せません。目的に合わせて配信内容や送信タイミングを決めることが大切です。

 

既存のメール機能を使って配信する場合は、個人情報の漏洩に気を付けてください。一度でも信用を失うと挽回するのは困難です。十分な対策をするか、メール配信システムの利用を検討しましょう。

執筆者:宮林 有紀(みやばやし ゆうき)

医療機関勤務を経てフリーライターへ転身。起業家向けメディアへの執筆をはじめ様々なジャンルのサイトにて執筆。