東芝が英投資ファンドから買収提案を受けたらしい。1株5000円、総額2兆3000億円は、新型コロナ対策の持続化給付金用に、昨年1次補正予算で計上されていた金額と同額。100年以上の歴史を誇る代表的な日本ブランドの経済的価値だ★とはいえ、額が大き過ぎて市井の人々にはピンと来ない。きっと東芝の社員でもピンと来ないのではないか。M&Aの渦中で仕事をした経験から言えば、ほとんどの社員の関心は自分の待遇であり、直属の上司や今担当している業務に変化があるのかどうか、である★働く人たちにとって、この1年余りは変化の連続だ。もう業務の原形を思い出せなくなっているかもしれない。そんな状況で新たな要素が加わったとしても、今更驚くことは少ないのかも★自分たちの身体は相変わらず移動しにくい。しかし情報のみならず、お金や権利もバーチャルに動く。身についた鈍感力に救われることはあっても、決して足下を掬われることのないようにしたいものだ。
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