名古屋市の制度融資/中小企業の資金調達のために

「名古屋市内で資金を調達したいが、どの制度融資が適当かわからない」など,資金調達で悩む人も多いのではないでしょうか。

 

名古屋市中小企業融資制度は、名古屋市が中心となって実施している中小企業者向けの融資制度です。より多くの中小企業者が資金調達できることを目的とし、独自に融資要件を設置したり、複数の融資メニューを提案したりしています。利用する際は、制度の内容を理解し、自分の条件にあった融資制度を選ぶ必要があります。

 

本記事では、名古屋市中小企業融資制度の概要や種類、融資要件など、わかりやすく説明します。

 

 

1.名古屋市中小企業融資制度とは

名古屋市中小企業融資制度とは、中小企業者が円滑に資金を調達して経営を安定させることを目的に、名古屋市が実施している融資制度です。

 

名古屋市と取扱金融機関、そして名古屋市信用保証協会等が連携することで、長期・低利・固定金利での融資を可能にしました。このように、名古屋市中小企業融資制度には、中小企業者にとって資金を調達しやすいというメリットがあります。

 

「中小企業者」は、以下のように定義されます。

・引用:名古屋市中小企業融資制度のご案内

https://www.city.nagoya.jp/keizai/cmsfiles/contents/0000054/54752/20200401panf_hyoushi.pdf

 

名古屋市中小企業融資制度を利用できるのは、原則として名古屋市内に事業所を構えている中小企業者です。具体的には、以下のような要件を満たす必要があります。

 

・支払うべき税金を滞納していないこと

・名古屋市信用保証協会が設定している融資対象者に該当していること

・(公財)名古屋市小規模事業金融公社が設定している融資対象者に該当していること

・銀行取引停止処分を受けていない、または第1回不渡りが発生してから、6カ月を経過していないこと

 

より詳しい融資要件については、こちらのページで確認できます。

・参考:融資制度の申込資格(名古屋市)

https://www.city.nagoya.jp/keizai/cmsfiles/contents/0000054/54752/20200401panf_hyoushi.pdf

 

名古屋市信用保証協会が設定している融資対象者は、以下のページに書いてあります。

・参考:ご利用いただける方(名古屋市信用保証協会)

https://www.cgc-nagoya.or.jp/guide/index.html

 

(公財)名古屋市小規模事業金融公社が設定している融資対象者は、同社のホームページで確かめられます。

 

・参考:(公財)名古屋市小規模事業金融公社

http://nb-fun.jp/

 

 

2.名古屋市中小企業融資制度の概要

名古屋市中小企業融資制度は、「名古屋市信用保証協会の信用保証付融資制度」と「(公財)名古屋市小規模事業金融公社取扱いの融資制度」に大きく分けられます。さらに各制度では、融資の目的にあわせて、複数の融資メニューを用意しています。どのようなものがあるか、各融資制度の概要や融資対象者について、まとめました。

 

(1)     名古屋市信用保証協会の保証付融資制度

名古屋市信用保証協会の保証付融資制度は、名古屋市、名古屋市信用保証協会、取扱金融機関が連携して実施している融資制度です。

 

名古屋市信用保証協会が保証人となり、取扱金融機関が中小企業者に対して融資を行ないます。そのため、中小企業者は、原則として第三者保証人抜きで資金調達が可能になります。

 

名古屋市信用保証協会の保証付融資制度には、いくつか融資メニューがありますが、ここでは「新規事業創出資金」「経営強化支援資金」「小規模企業等振興資金」「ナゴヤ新型コロナウイルス感染症対策事業継続資金」の4つについてご紹介します。

 

①      新事業創出資金

名古屋市内で新たに会社を設立したり、事業を始めたりする人向けの融資制度です。子会社の設立を予定している人や、開業して日の浅い中小企業者も対象に入ります。融資限度額は3,500万円で、融資期間は最長10年間です。

 

新規事業創出資金を利用するには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

・1ヶ月以内に開業する予定のある個人

・2ヶ月以内に開業する予定のある法人

・開業してから5年未満の個人

・新たに子会社を設立する予定のある法人

・新たに子会社を設立してから5年未満の法人

 

②      経営強化支援資金

経営強化のために、資金調達を必要としている中小企業を対象とした制度です。経営協会支援資金には、「大口資金」と「経営力アップ資金」の2種類あります。

 

・大口資金

名古屋市内で事業を営む個人・法人・協同組合等・医療法人を対象に、運転資金または設備資金として、1億5,000万円を限度に融資します。融資期間は、運転資金が最長7年間で、設備資金は最長10年間です。

 

・経営力アップ資金

認定経営革新等支援機関または取扱金融機関の支援を受けている、個人・法人・協同組合等・医療法人が対象です。さらに、事業計画の策定・実行・報告ができることも、融資要件に入ります。

 

「認定経営革新等支援機関」とは、国が認定している中小企業支援機関(税理事務所など)のことを指します。詳しくは、以下のページで確認できます。

 

・参考:認定経営革新等支援機関(中小企業庁)

https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/nintei/

 

経営アップ資金の融資限度額は1億5,000万円で、融資期間は10年以内と決められています。

 

③      小規模企業等振興資金

中小企業者の中で「小規模事業者」に属する人を対象にした、融資制度です。小規模企業等新興資金には、「通常資金」と「小口資金」の2種類あります。

 

・通常資金

従業員数が50人(商業・サービス業は30人)以下の中小企業者に対し、5,000万円を限度に、運転資金または設備資金を融資します。融資期間は最長10年間です。

 

・小口資金

小口零細保証が利用できる小規模企業者を対象とした、融資制度です。

 

「小口零細保証」とは、責任共有制度(信用保証協会と金融機関がそれぞれ信用リスクを負担するという、全国の保証協会が実施している制度)が対象外としている保証制度のひとつです。

 

小口資金が対象としているのは、従業員数が20人規模の、小規模企業者です。ただし、宿泊業と娯楽業を除く、商業・サービス業は、従業員5人以下となります。

 

融資限度額は2,000万円で、融資期間は最長10年間と決められています。

 

④      ナゴヤ新型コロナウイルス感染症対策事業継続資金

新型コロナウイルス感染症によって業況が悪化した中小業者に対して、資金面でサポートする制度です。

 

ナゴヤ新型コロナウイルス感染症対策事業継続資金の対象となるのは、セーフティネット保証4号・5号、または危機関連保証の認定を、市町村長より受けた中小企業者です。

 

セーフティネット保証と、危機関連保証の詳細は、以下のページで確認できます。

 

・参考:セーフティネット保証のご案内(名古屋市)

https://www.city.nagoya.jp/jigyou/category/387-1-5-3-0-0-0-0-0-0.html

 

ナゴヤ新型コロナウイルス感染症対策事業継続資金の限度額は4,000万円で、融資期間は10年以内と決められています。

 

 

(2)     名古屋市小規模事業金融公社取扱いの融資制度

名古屋市中小企業融資制度には、(公財)名古屋市小規模事業金融公社が取扱っている融資制度も含まれています。ここでは、「創業・事業展開支援資金」と「経営活性化資金」の2種類についてご紹介します。

 

①      創業・事業展開支援資金

開業して間もない中小企業者の中で、事業資金が必要な人や、事業の多角化を目的に、資金調達を検討している人向けの融資制度です。

 

創業・事業展開支援資金には、「創業支援資金」と「事業展開支援資金」とがあり、融資対象者が異なります。

 

創業支援資金の融資要件は以下のとおりです。

 

・名古屋市内で創業を予定している、または同じ業種に属する事業を始めて6ヶ月未満で、従業員数が50人(商業・サービス業は30人)以下の中小企業者

・支払い義務のある税金を完納している人

・反社会的勢力に属していない人

 

事業展開支援資金の融資要件は、従業員数が50人(商業・サービス業は30人)以下の小規模企業者で、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

 

・これから事業の多角化を予定している、または多角化してから6ヶ月未満の人

・新たな事業に転換する予定がある、または事業転換してから6ヶ月未満の人

・支払い義務のある税金を完納している人

・反社会的勢力に属していない人

 

創業・事業展開支援資金の融資限度額は2,000万円で、融資期間は最長10年間です。

 

②      経営活性化資金

市内に事業所を構え、6ヶ月以上同じ業種を営んでいる、従業員数が50人(商業・サービス業は30人)以下の小規模企業者を対象とした融資制度です。

 

経営活性化資金には、「通常資金」「不動産等担保融資」「連携サポート資金」の3種類あります。

 

・経営活性化資金(通常資金)

長期・固定金利で利用できるという特徴を持つ融資制度です。上限2,000万円まで融資し、融資期間は最大10年間と決められています。

 

・経営活性化資金(不動産等担保融資)

不動産等を担保にすると、利率の割引を受けられるというメリットのある制度です。融資限度額は5,000万円で、融資期間は最長10年間利用可能です。

 

・経営活性化資金(連携サポート資金)

第三者保証人を不要とする融資制度です。個人で利用する場合は、満20~75歳以下、3期以上の確定申告を済ませているなどの融資要件を満たす必要があります。

 

法人も、年商5億円以下で、3期以上の確定申告または事業報告を済ませているなどの融資要件が設定されています。融資限度額は1,000万円で、融資期間は5年以内です。

 

 

3.まとめ

名古屋市中小企業融資制度の概要や融資要件、融資制度の種類などについて説明しました。

 

この制度には、名古屋市信用保証協会と、(公財)名古屋市小規模事業金融公社が取扱っている制度とがあり、さらに細かな融資メニューが設定されています。

 

そのため、自分の条件にあった融資メニューを選ぶことが難しい、返済方法を明確にできないなど迷うことがあるかもしれません。その場合は、資金調達の専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

 

名古屋市中小企業融資制度を活用して、資金調達の悩みを解消しましょう。

 

 

佐藤 世莉(さとう せり)

英国の大学と大学院で社会学、国際政治学、国際関係学を学び、2018年、フリーランスのWebライターとなる。幅広いジャンルの記事を執筆し、得意分野はビジネス、起業、就職、教育。「考えて書く」ことをモットーに、Webコンテンツをはじめ文章構成や要約文、論文、翻訳など、さまざまなライティング活動を展開中。ロジカルシンキングマスター、論理的思考士、WEBライティング実務士の資格を保有。