滋賀県の制度融資/中小企業の資金調達のために

滋賀県内で、中小企業者が利用できる制度融資をお探しですか?滋賀県中小企業者向け制度融資は、滋賀県が実施している融資制度です。この制度は、中小企業者が資金調達を実現し、経営を円滑に継続できることを目的としています。

 

滋賀県中小企業者向け制度融資は、利用者に対して融資要件を設定しています。加えて、資金メニューごとの融資要件もありますので、条件を満たしているかどうかについて、申し込み前に確認することは不可欠です。

 

ここでは、滋賀県中小企業者向け制度融資の概要や融資対象者、主な資金メニューの種類についてご紹介します。

 

1.          滋賀県中小企業者向け制度融資とは

滋賀県中小企業者向け制度融資とは、「滋賀県中小企業の活性化の推進に関する条例」を基に、滋賀県が実施している融資制度のことです。

 

県は、取扱金融機関や滋賀県信用保証協会らと連携し、滋賀県中小企業者向け制度融資を運営しています。3者が連携することで、独自の融資要件の下、原則として保証人無しで利用できる、低金利・固定金利で借り入れできるといったサービスの提供を実現しました。滋賀県中小企業者向け制度融資が,通常の融資よりも利用しやすいと言われているのは、こうした特徴を持っているからでしょう。

 

滋賀県中小企業者向け制度融資を利用できるのは、県内に事業所を構え、事業を展開している中小企業者、または協同組合等です。

 

さらに、以下の要件を全て満たしていることが必要です。

・一部の資金メニューを除き、6か月以上継続して同じ事業を営んでいる人

・営んでいる事業が、県信用保証協会の保証対象となる人

・支払うべき税金を全て納めた人

・事業に必要な許認可等を受けている人

・暴力団関係者ではない人

 

県信用保証協会が保証の対象としている業種は、以下のとおりです。

・引用

ご利用いただける方

 

「資本金(出資の総額)」または、「従業員数」のどちらかに該当すると、保証対象業種と見なされます。

 

しかし、全ての業種が滋賀県中小企業者向け制度融資の対象となるわけではありません。

県信用保証協会の保証対象外となる業種は、以下のページに詳しく書かれています。

 

・参考:ご利用いただけない方(滋賀県信用保証協会)

ご利用いただけない方

 

滋賀県中小企業者向け制度融資は、中小企業者や協同組合等の他に、NPO法人も融資の対象としています。制度融資を利用できるNPO法人は以下のとおりです。

・引用

https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5241823.pdf

 

制度を利用するには、支払い義務のある税金を全て納めていること、必要な許認可等を受けていることなども、融資要件に入ります。詳しくは、以下のページで確認できます。

 

・参考:NPO法人の皆さんも中小企業向けの県制度融資をご利用いただけます(滋賀県)

https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5241823.pdf

 

 

2.滋賀県中小企業者向け制度融資の概要

滋賀県中小企業者向け制度融資には、利用目的別にさまざまな資金メニューがあります。一般的な事業資金が必要な人から、開業資金を調達したい人まで、幅広く対応しています。資金メニューの種類と、各メニューの融資対象者や融資限度額・融資期限などについてご紹介します。

 

(1)           開業資金(創業枠・創業サポート枠)

開業資金(創業枠・創業サポート枠)は、県内で新たに事業を始める予定のある人を対象に、運転資金または設備資金を融資する制度です。

 

開業資金の「創業枠」を利用するには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

・1~2か月以内に、県内で事業を始める予定のある個人または法人

・すでに県内で起業・創業してから5年未満の個人または法人

・新たに子会社を設立する、または子会社を設立してから5年未満の法人

 

一方、開業資金の「創業サポート枠」を利用するには、「創業枠」の融資要件に加えて、以下のいずれかの要件を満たしている必要があります。

・「認定特定創業支援等事業(国が認定した創業支援事業)」の支援を受けた人

・県内にあるインキュベーション施設に入居している人

・県が提供している創業支援策の対象となる人

・商工会議所などが実施している、経営支援を受けた人

 

開業資金(創業枠・創業サポート枠)の融資限度額は、運転資金・設備資金共に2,500万円で、最長7年間利用できます。原則として無担保で、法人を除き保証人も必要ありません。

 

(2)           経営支援資金(小規模企業者特別枠)

経営支援資金(小規模企業者特別枠)は、中小企業の中でも、小規模企業者に分類される人向けの制度です。事業の体質改善や経営の合理化を目指している小規模企業者に対し、運転資金または設備資金を融資します。

 

経営支援資金(小規模企業者特別枠)の融資対象者は、以下の条件を全て満たしている人です。

・従業員(常時雇用)の数が、20人以下の宿泊業・娯楽業(その他のサービス業・商業は5人以下)

・県信用保証協会の保証責務残高が2,000万円以内(融資申込額も含む)の人

 

経営支援資金(小規模企業者特別枠)の融資限度額は、1,000万円です。ただし、県信用保証協会の保証付融資残高がある場合は、それを含めて2,000万円以内が融資の上限になります。融資期間は、運転資金が7年以内で、設備資金は10年以内と、それぞれ設定されています。経営支援資金(小規模企業者特別枠)は原則として無担保で利用でき、保証人についても法人の場合を除いて、原則不要です。

 

(3)           セーフティネット資金(コロナ新規枠・コロナ借換枠)

セーフティネット資金(コロナ新規枠・コロナ借換枠)は、新型コロナウイルス感染症の影響で、業況が悪化した中小企業者の資金調達支援を目的とした制度資金です。

 

「コロナ新規枠」の融資対象者は、市町村長から、以下のいずれかの認定を受けた人に限ります。

 

①セーフティネット保証4号

・県内で1年以上事業を営んでいている中小企業者

・新型コロナウイルス感染症の影響で、直近1ヶ月間の売上が前年同月と比較して20%以上減り、今後2ヶ月間(計3ヶ月間)の売上も、前年同期と比較して20%以上減ると予想される中小企業者

 

②セーフティネット保証5号

新型コロナウイルス感染症の影響で、直近3ヶ月間の売上が前年同期と比較して5%以上減した中小企業者

 

③危機関連保証

新型コロナウイルス感染症の影響で、直近1ヶ月間の売上が前年同月と比較して15%以上減り、今後2ヶ月間(計3ヶ月間)の売上も、前年同期と比較して15%以上減ると予想される、中小企業者

 

コロナ借換枠を利用できるのは、①~③のいずれかの認定を市町村長から受けた人で、以下の要件を満たすことが必要です。

・県信用保証協会の保証付融資の対象者で、借換によって業況が改善される見込みのある人

・借換対象資金を利用していて、元本の返済が始まってから6か月以上経過し、かつスケジュール通りに返済している人

 

①~③の融資限度額は、4,000万円(コロナ借換枠との合計)で、融資期間は10年以内です。

 

3.まとめ

滋賀県中小企業者向け制度融資の概要や、資金メニューの種類などについてご紹介しました。

 

滋賀県中小企業者向け制度融資は、滋賀県と県信用保証協会、そして取扱金融機関が協力しあい、できる限り多くの中小企業者が融資を受けられる仕組みを整えています。経営を立て直すために事業資金が必要などの理由から、資金調達先を探しているのなら、滋賀県中小企業者向け制度融資の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

 

金融機関に直接申し込むよりも、敷居が低いと言われている滋賀県中小企業者向け制度融資ですが、申し込み前に必要な手続きや作業をこなす必要があり、場合によっては大きな負担になると考えられます。どのように手続きを進めるべきか、どの資金メニューを選ぶべきかなど、判断に迷った時は資金調達の専門家に相談することをおすすめします。

 

資金調達の目的に合った制度を利用して、事業を展開していきましょう。

 

 

執筆者:佐藤 世莉(さとう せり)

英国の大学と大学院で社会学、国際政治学、国際関係学を学び、2018年、フリーランスのWebライターとなる。幅広いジャンルの記事を執筆し、得意分野はビジネス、起業、就職、教育。「考えて書く」ことをモットーに、Webコンテンツをはじめ文章構成や要約文、論文、翻訳など、さまざまなライティング活動を展開中。ロジカルシンキングマスター、論理的思考士、WEBライティング実務士の資格を保有。