電子定款とは?電子定款申請の流れを解説

会社を設立する際には、必ず「定款」を作成する必要があります。

定款とは、会社を運営していく上でもっとも重要な決まりごとを定めたもので「会社の憲法」とも呼ばれています。

 

定款は、書面で作成すると一般的には思われがちですが、実は電子定款というものがあることをご存知でしょうか?

 

今回は、この電子定款の作成から申請までを踏まえながら、詳しく解説していきたいと思います。

 

 

1 電子定款とは?

 

今までは、定款といえば書面(紙媒体)で作成し、公証役場で認証してもらうという手続きが必要でした。

 

しかし、パソコンとインターネットが広く一般社会に普及したため、2004年3月より、PDF化した電子媒体での定款でも、インターネットで送信することで認証の手続きが可能となりました。

 

紙で作成した定款は、印紙税の課税対象文書にあたるため、印紙を貼付しなければならず、印紙代として4万円の費用がかかります。

しかし電子定款の場合は、紙媒体ではないため印紙を張る必要がなく、印紙代4万円を節約することができます。

 

 

2 電子定款の作成と認証

 

電子定款には大きく分けて二つのプロセスがあります。

次項からは、その二つの大まかな流れについて詳しく解説していきます。

 

まずは事前に準備しておく必要があるものを確認しておきましょう。

  • マイナンバーカード(マイナンバー通知書は不可)
  • ICカードリーダライタ(マイナンバーカード対応のもの)
  • PDF変換ソフト(電子署名機能がついているもの)
  • 申請用総合ソフト(法務省のHPより無料でダウンロード)

 

電子定款の作成

(1)定款の作成

まずは、WordやGoogleドキュメントなどを使い定款を作成しましょう。

作成にあたっては、絶対的記載事項・相対的記載事項・任意的記載事項をしっかり押さえることが重要です。

 

絶対的記載事項

その名の通り、絶対に定めなければならない項目で、その記載がないと定款全体が無効になります。

 

具体的には、会社の事業目的や商号、本店所在地や資本金などが挙げられます。

 

相対的記載事項

定款には必ず定めなくてもいいけれども、便宜上定めておいたほうが良い項目のことです。

 

現物出資の内容や株式の譲渡制限、取締役の任期などがそれにあたります。

 

任意的基礎事項

定款に定めるのは任意(自由)な項目で、定款に記載しなくてもルールとしては有効ですが、より変更を難しくしておきたい時などに定めておく項目です。

 

会社の事業年度や、取締役となる人の人数、会社の経営理念などの項目があります。

 

(2)電子証明書の準備

オンラインによる電子申請には、送信データの作成者が申請者本人であること、送信されたデータが改ざんされていないことなどの確認が必要になります。

そこで、「本人確認」役割を果たすのが「電子証明書」です。

電子証明書には印鑑証明書に相当する効力があると言えます。

 

マイナンバーカードには、特に不要とする申し出を行わない限り、この「電子証明書」が搭載されています。

PDFファイルに電子署名をする際に、マイナンバーカードが必ず必要になりますので、最寄りの市町村役場で早めに交付申請をしておきましょう。

 

(3)PDFに変換

電子定款は、作ったものをそのまま送っても受け付けてもらえません。
必ず、PDFに変換する必要があります。

作成した定款を、Adobe Acrobatなどの電子署名が可能なPDF変換ソフトを使ってPDF化します。

 

PDF変換ソフトであればなんでも良いというわけではなく、後述する「登記・供託オンラインシステム」で動作確認が取れているPDF変換ソフトを使用するようにしましょう。

 

(4)電子証明書を電子定款に埋め込む(電子署名)

法務省のホームページで無料提供されている「登記・供託オンラインシステム」にある、「PDF署名プラグイン」を使って電子署名をします。

署名する場所は、定款末尾の名前の右側が一般的です。

 

電子署名が終わったらCD—Rなどを用いて記録を取っておきましょう。

 

 

電子定款の申請

(1)電子定款の送信

さて電子定款が出来上がったら、いよいよ申請の手続きです。

 

まずは、法務省の「登記・供託オンライン申請システム」に個人情報などの申請情報の登録を行います。

申請用総合ソフトを立ち上げ、署名済みの電子定款を送信します。

 

なお、送信の際に公証役場を選ぶのですが、申請先の公証役場は設立する会社の本店所在地を管轄している公証役場ですので、注意が必要です。

 

(2)公証役場にて受け取り

電子定款の送信が無事完了したら、公証役場に出向いて定款データを受け取りましょう。

出向く前には、管轄の公証役場に電話連絡し、受け取りの日時を予約する必要があります。

 

定款データはUSBメモリで受け取るほか、受け取りの際には定款認証手数料5万円の支払いや、本人確認などがありますので必要な持ち物を確認しておくといいでしょう。

 

 

3 電子定款の注意点

電子定款は印紙税が課税されないので、印紙税4万円を節約できるメリットがあります。

しかし、電子定款を作成・申請するには必要な機器を揃えなければならないため、新たに全てを揃えるとなると4〜6万円ほどの出費になってしまいます。

 

また、インターネットでの手続きだからといっても、実際は公証役場まで定款を受け取りに出向く必要があるため、全てが非対面で手続きが完了するわけではありません。

 

もし、電子定款に不備があり差し戻しになった場合は、申請の都度定款認証手数料を支払うことになり注意も必要です。

 

 

4 まとめ

電子定款は、印紙代が免除されるという点が魅力的ではありますが、その他機器を揃え利用環境を整えるための費用などが発生します。

目先の印紙代節約にとらわれ、こういったその他の費用のことを考えないならば、本末転倒でしょう。

 

また、電子定款は作り慣れていれば問題ないのですが、自分で作成しようとすればかなりの時間と手間がかかります。

 

定款作成時点で公証役場や法務局にチェックを仰いだり、電子定款作成のプロに依頼するなど、外部の力をうまく利用しながら、効率的な定款作成事務を目指すことが重要です。

 

中野スミレ
金融機関でのファイナンシャルプランナー業務を経て、フリーのライターに転身。金融や教育など幅広い分野のライティング業務に携わる。2級ファイナンシャルプランニング技能士や保育士など資格取得も積極的に行う。

 

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