無担保ローンとは/特徴を押さえて便利に使うために

「起業資金を借りたいけれど、担保にできる不動産などは持っていない…」そんなとき、利用を検討したいのが「無担保ローン」です。担保がいらない融資とは、どのようなものなのでしょうか。本記事では、無担保ローンの種類や特徴について、わかりやすくご紹介します。

 

 

1.無担保ローンの種類

担保とは、借り手が借金を返済できなくなったときに備え、あらかじめ銀行などの貸し手へ提供しておくもののことです。例えば、家や土地といった不動産を担保にしたり、借り手に代わって借金を返済する保証人を担保にしたりするのが一般的です。このような担保を設定しなくても、審査の基準を満たすことでお金を借りられる資金調達の手段がが「無担保ローン」なのです。

 

事業者が利用できる無担保ローンにはさまざまな種類があり、銀行だけでなく、クレジットカード会社、消費者金融といったノンバンクなどでも取り扱われています。代表的な無担保ローンを、ピックアップしてご紹介します。

 

カードローン

銀行、消費者金融、クレジットカード会社などが発行する融資専用のカードを使って、借り入れを行います。利用限度額の範囲内であれば何度でも借り入れ可能で、借りたお金の使い途が限定されない、ATMで必要なときすぐに借りられるなど、利便性が高いことが特徴です。

 

クレジットのキャッシング枠

大半のクレジットカードについている「キャッシング枠」の範囲で借り入れを行う場合にも、担保や保証人は不要です。借入限度額は低めですが、資金使途に制限はなく、手持ちのカードにキャッシング枠があれば新たにカードを作る必要もないため、手軽に利用できます。

 

フリーローン

主に銀行で取り扱われている無担保ローンです。使い途は基本的に自由ですが、個人向けフリーローンは事業目的の利用が不可の場合もあります。機関によっては、事業者向けのフリーローンが用意されていることもあるので、調べてみましょう。審査にやや時間がかかること、借り入れは1度限りで追加の借り入れができないことなどに注意が必要です。

 

ビジネスローン

銀行やノンバンクで取り扱われている、法人経営者や個人事業主向けの事業資金に特化したローンです。運転資金、設備費用など、事業に関わる使途であれば基本的に自由に使うことができます。商品によっては、有担保のものもあります。

 

 

2.無担保ローンの特徴

担保が必要なローンと比べて、無担保ローンにはどのような特徴があるのでしょうか。4つのポイントをピックアップしてご紹介します。

 

審査が早く、スピーディーに融資が受けられる

融資の審査において、担保に関する調査や審査は意外と時間がかかるのですが、無担保ローンではそのプロセスが不要となります。そのため、比較的スピーディーに融資が実行される傾向があります。

 

信用情報がより重視される

貸し手にとって、最も大きなリスクは「借金が返済されないこと」です。有担保ローンならば、返済されないときの損害を担保で補填できますが、無担保ローンではそれができません。したがって、審査の際は借り手の年収や勤務先、これまでの返済履歴といった信用情報が重視されます。これは融資全般で言えることですが、無担保ローンの場合は特に、過去に支払いの遅延や滞納がある場合、希望通りの借り入れが難しくなることを覚えておきましょう。

 

金利が高めである

前述したとおり、無担保ローンは有担保ローンに比べ、貸し倒れるリスクが高くなります。そこで無担保ローンは、もしものときも貸し手の収益を確保できるよう、高めの金利が設定されているのです。例えば無担保ローンの最大金利には、有担保ローンの平均的な金利の5〜6倍になるものもあります。金利は、金融機関や借り入れる金額によって異なるので、申し込みをする前によく確認しておきましょう。

 

借入額が限られる

例えば、カードローンやクレジットカードのキャッシング枠を利用する場合、借り入れできるのは利用限度額までとなります。また、そのほかの無担保ローンについても、担保がない分、借入可能額は有担保ローンより低めに設定されていることが多いのです。したがって、多額の融資を受けたいときや、希望する金額をすべて借り入れしたいときなどは、有担保ローンも視野に入れて融資を考える必要があります。

 

 

3.まとめ

無担保ローンは、手続きの手間が少なく、スピーディーに融資が受けられるなど、利便性の高さが魅力です。しかしながら、金利が高いことや借入額が限られることなど、借り手にとってデメリットが多いのも特徴です。例えば、短期間の一時的な借り入れにとどめるなど、計画的に利用することをおすすめします。

 

 

執筆者:吉田 裕美(よしだ ゆみ)

金融機関勤務を経て、フリーライターへ転身。

お金に関するコラム執筆をはじめ、企業のWebコンテンツやメルマガ制作など、幅広いジャンルのライティング