バランスシート(貸借対照表)の読み方/チェックポイントを解説

一般的にはあまり知られていないバランスシート。会社員であれば見る機会は少ないかもしれません。バランスシートは会社の資産や負債がどれだけあるのか見る決算書のため、会社の財務状態を知るためには大変重要な計算書類です。

この記事ではバランスシートとはどのようなものなのか、バランスシートのチェックポイントである、自己資本比率、流動比率、固定長期適合率についてお伝えしていきます。

1.バランスシート(貸借対照表)とは

バランスシートとは、財務諸表の1つの「貸借対照表」のことを指し、BS、B/Sと表示されることもあります。

企業が債権者や投資家などに対して財務状態や経営成績を報告するための財務諸表のうち、とくに重要な財務三表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)のなかの1つです。バランスシートは、企業のある時点での財政状態を「資産」「負債」「純資産」で表しており、企業の資産の元となる負債と純資産がどのようにして集められたのかを示しています。

バランスシートの左側(借方)には「資産」、右側(貸方)には「負債」と「純資産」が記載されており、左右の合計金額は必ず一致しなければなりません。つまり「資産」=「負債」+「純資産」が成り立っていることと、それぞれの内訳が表されていることがバランスシートの条件です。

2.バランスシート(貸借対照表)のチェックポイント

次に、バランスシート(貸借対照表)の4つのチェックポイントをお伝えしていきます。

(1) 自己資本比率

自己資本比率は、会社の総資産のうち、どの程度が自己資本(純資産)でまかなわれているかを表しており、自己資本/総資産で計算されます。調達した資金のうち返済義務のない資金の割合ともいえます。自己資本比率は、財務分析の安全性指標のなかで、最も基本的なものです。

自己資本比率で分かるのは、会社の財務基盤が安定しているかどうかです。自己資本比率が高い会社は返済義務のない資金を元手に事業を営んでおり、資金調達の安全性が高いと判断できます。

自己資本比率は、一般的に20~30%であれば良い評価がなされ、50%を超えていると理想的だと言われます。逆に、10%を下回っていると過少資本と判断されます。ただしいずれも、会社の規模や業種によって異なりますので、あくまで目安として考えるとよいでしょう。

自己資本比率が100%(負債比率が0%)なら、その会社は”無借金経営”ということになります。無借金経営と聞くと優良企業のように思えるかもしれませんが、一概に無借金経営が良いとは言えません。経営においては、借入をしてでも資金調達して投資をし、利益を拡大できるケースもあります。安全性に囚われすぎて成長の機会を逃さぬように、負債と自己資本を活用したいところです。

(2) 流動比率

流動比率とは、財務分析の安全性分析の経営指標のひとつで、短期的な支払能力を分析する際に用いる指標です。流動負債に対する流動資産の割合を示しています。

流動比率は、具体的にいうと1年以内に現金化できる資産が、1年以内に返済すべき負債をどれだけ上回っているかを表す指標です。流動比率を見れば、会社の短期的な支払能力(短期安全性)が分かります。

会社の規模や業種によって異なりますが、流動比率が120%以上であれば、一般的には短期的な資金繰りには困らないとされ、100%を下回っていると支払能力に不安があるとされます。販売先や仕入先などの取引先企業の流動比率が100%未満の場合は要注意です。より厳密に短期の支払能力を分析する場合は、企業の短期の負債に対する支払い能力を判断する指標である当座比率も見るとよいでしょう。

(3) 固定比率

固定比率は、企業の固定資産と自己資本の対応関係を表わす比率で、固定資産/自己資本で計算されます。要するに、長期的に企業運営に使用される資産が自己資本によって賄われているかどうかを表わす、長期安全性についての財務指標です。金融機関などで企業の財務分析を行われる場合、次に説明する固定長期適合率と合わせて検討されることが多くなります。

(4) 固定長期適合率

固定長期適合率は、固定比率と同様に財務分析の長期的な安全性の指標であり、会社の長期的な支払能力の分析に使います。固定長期適合率は、固定負債と自己資本に対する固定資産の割合を示しています。固定資産は長期にわたって使用されるもののため、借入も長期のローンであるか、もしくは返済義務のない自己資本の範囲内で投資されていないと、いずれ資金繰りが圧迫されることになります。固定長期適合率は、固定資産に投資した資金が長期資金(長期のローンと自己資本)でどれだけまかなわれているかを表すものです。固定比率を求める算式では、分母が自己資本のみでしたが、固定長期適合率を求める算式では、分母に固定負債を加えている点が異なります。

固定比率が100%を超えていても、固定長期適合率が100%以下であれば、固定資産への投資は健全であると判断できます。固定長期適合率が100%を上回っている場合は、固定資産への投資額を固定負債と自己資本でカバーできていないということで、資金繰りは危うい状況にあると見られます。

まとめ

バランスシートを見ることで、資金の調達先と何に使ったかの内訳、会社の安全性や、支払い能力などがわかります。バランスシートを含んだ財務三表を読みこなすことは経営者にとって求められるスキルの1つであると言えるでしょう。

執筆者:松尾 朋美(まつお ともみ)

金融機関勤務、IT会社を経て、フリーへ転身。
金融機関のオウンドメディアの執筆をはじめ、お金に関するコラム執筆を行う傍ら、広告代理店と提携し、企業のwebマーケディング業務に携わる。