個人事業主の方やこれから起業を考えている方の中には、オフィスを構えるかどうかについて悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?そんな方におすすめしたいのが、レンタルオフィスです。
レンタルオフィスは初期費用を抑えることができ、オフィスに必要なものが一式揃っているため、すぐにビジネスを始められると、特に起業を目指している方から注目を集めています。
今回の記事ではレンタルオフィスについての詳細な説明やメリット・デメリット、さらにレンタルオフィスの選び方について詳しくご紹介していきます。
1. レンタルオフィスとは
レンタルオフィスとは、椅子や机、キャビネットや電話回線・インターネット回線など、ビジネスに必要とされる家具や機器があらかじめそろっている貸事務所のことです。
立地も広さも様々で、1人用のオフィスから数十人用のオフィスまであります。オフィス利用可能時間もそれぞれのレンタルオフィスによって異なり、24時間365日使用できるオフィスもあります。
また、レンタルオフィスには様々な種類があります。
バーチャルオフィス
実際に存在する事務所を借りるのではなく、住所や電話番号のみを借りるオフィスのことです。格安で利用できることが多いため、とにかくコストを抑えてオフィスの住所や電話番号を持ちたいという方が多く利用しています。
インキュベーションオフィス
創業初期段階にある起業者に対して貸し出されているオフィスのことです。地方自治体や公的機関が運営していることが多いため低価で事務所を貸し出すことができ、起業・創業支援も行われています。
サービスオフィス
高付加価値型のオフィスのことです。共用エントランスや共用ラウンジ、会議室の利用をはじめ、コンシェルジュによるレセプション、秘書サービスや電話代行サービスといった様々なサービスが充実しています。
よって、自身の事業に合わせたレンタルオフィスの形態を見極める必要があります。
2. レンタルオフィスのメリット、デメリット
必要な時にすぐ事務所を立ち上げることができる便利なレンタルオフィスですが、いくつかのデメリットもあります。実際にレンタルオフィスを借用する前にメリット・デメリットの双方をきちんと把握しておくことが大切です。
(1) レンタルオフィスのメリット
レンタルオフィス最大のメリットは、オフィス環境を整える時間が節約できることです。
ビジネスを行うためのオフィスには、椅子や机、キャビネットといった備品から、コピー機やインターネット回線・電話回線の導入と、様々な物品の購入や手続きが必要となります。そのため、実際にオフィスとして使用できる環境を整えるには、かなりの時間がかかります。しかし、レンタルオフィスを利用すれば、すぐに事務所として使用することが可能です。
また、レンタルオフィスであれば事務所として使用するために本来必要となる家具や機器の購入費用もかからずに済むため、初期費用も抑えることができます。
さらにレンタルオフィスのメリットとしてあげられるのが、豊富なメニューです。
共用ラウンジや会議室の利用、有人レセプションや秘書代行サービス、電話代行サービスと様々なメニューがあります。また、それぞれのレンタルオフィスによって利用可能時間も異なるため、自身の事業に合わせたオフィスの使い方ができます。
オフィスの広さも様々なタイプのものが用意されているため、事業の拡大・縮小に合わせたオフィス移転もしやすくなっています。
(2) レンタルオフィスのデメリット
レンタルオフィスのデメリットとしてまず最初にあげられるのが、コストが嵩む場合があるという点です。レンタルオフィスは初期費用が安く抑えられるというメリットがある一方、長期間レンタルオフィスを使用した場合、ランニングコストが高くなる傾向があります。
また、利用するレンタルオフィスによっては「法人登記」や「許認可取得」ができないこともあります。「法人登記」は会社設立時に法務局に対して申請する必要があり、「許認可取得」とはある特定の事業を行う際に警察署や保健所、都道府県などの行政機関から許可を得る必要があるものです。
シェアオフィスやバーチャルオフィスといったレンタルオフィスの形態によっては、これらの申請および取得ができない可能性があるため、事前にレンタルオフィス管理会社へ問い合わせたり、自身の事業内容について確認したりするなどしておきましょう。
金融機関によっては、口座開設を渋られる可能性もあります。どうしても「仮住まい」の印象が拭えないのがレンタルオフィスの辛いところです。
3. レンタルオフィスの選び方
レンタルオフィスは価格の幅が広く、様々な条件で貸し出されているため、どのオフィスを選んだら良いのか悩む方も多いのではないでしょうか?以下にレンタルオフィスを選ぶ際のポイントを記載しますので、ぜひ参考にしてみてください。
立地
オフィスとして使用するということは、自身や従業員が頻繁に訪れるのはもちろん、打ち合わせや商談も行うことになります。よって、電車移動が多いのであれば通いやすい駅の近くが良いでしょうし、車移動が多いのであれば駐車場の有無や周辺道路の状況も把握しておいた方が良いでしょう。
また、オフィスの立地は自社のブランディングにも関わってきますので、どのような土地でビジネスを展開したいかという視点も持ったうえで選んでみてください。
コスト
レンタルオフィスを利用する場合、初期費用だけでなくランニングコストもかかります。使用するオフィスによっては初期費用に事務手数料や仲介手数料などが含まれることもあるので内訳の詳細も確認しておきましょう。
そして、サービスメニューが豊富に用意されているレンタルオフィスの場合、それぞれのメニューごとに追加料金が必要となるケースが多いため、まずはオプションを含めたトータルコストを把握し、必要となる正確なコストを知ることが大切です。
レンタルオフィスを契約する際は、月々の賃料や共益費等は自社にとって適した金額かどうか、光熱費やインターネット回線使用料も含まれた賃料になっているかどうかについても事前にきちんと把握しておきましょう。
利用可能時間と利用可能期間
24時間利用可能なレンタルオフィスもあれば、9時~19時と利用可能時間が決まっているオフィスもあります。それぞれの事業ごとにコアとなる時間帯は異なるため、自社に適した時間帯に使用可能なレンタルオフィスを選定する必要があります。
仕事が早朝や深夜に及ぶ可能性が考えられる場合は、24時間利用可能なレンタルオフィスの方がおすすめですし、日中だけ利用できれば良いのであれば使用時間が決まっているレンタルオフィスの方がコストが抑えられるのでおすすめです。
また、ある程度長期間使用したいと考えている場合は、はじめから長期契約が結べるオフィスや契約更新が可能なオフィスを選ぶ必要があります。契約更新時には更新料がかかる場合もあるため、契約更新時に必要となるコストについても確認しておくと安心です。
専用区画の有無
レンタルオフィスはオフィスとしての面積や区画の規定がないため、それぞれのオフィスによって大きな違いがあります。基本的には個室として使用可能なオフィスを意味しているのですが、壁で区切られている完全個室とパーテーション等で区切られただけの半個室があります。
完全個室は防音性が高く、セキュリティ面でも安心ですが、半個室タイプよりもコストが高めという面があります。一方半個室タイプの場合、天井があいていることで開放感がありコストが低めではありますが、外部の雑音が入ってくるだけでなく自身の事業に関する重要事項が外部へ漏れてしまう危険性があります。
オフィスの広さも1人用から複数人用まで様々なタイプがあるため、自社の事業や従業員数に見合ったオフィスの広さを確保するようにしましょう。
法人登記や許認可取得が可能かどうか
今後、法人化する可能性がある場合や、事業内容によって許認可取得が必要となる場合は、 法人登記や許認可取得が行えるレンタルオフィスを借用する必要があります。法人登記や許認可取得ができるか否かは、それぞれのレンタルオフィスによって条件が異なりますので、事前にきちんと調べておきましょう。
4.まとめ
初期費用を抑えることができ、すぐに事務所として使用できる環境が整っているレンタルオフィス。コストを抑えて一等地にオフィスを構えることもできるため、自社のブランディングにも適したツールの一つです。今注目を集めるレンタルオフィス、今回ご紹介したレンタルオフィスの選び方を参考に、新たなオフィスを構えてみてはいかがでしょうか。
フリーのWebライターとして、幅広いジャンルの記事を担当。現在はビジネス関連の記事を多数執筆中。