銀行の営業として最初に担当したのは,仏壇業界だった。1本1千万円以上の仏壇が年に数本売れるのだ,という実態を,本店の審査部に分からせるのが一苦労。もちろん,一家に一本,がせいぜいで,一人に一本,というわけにはいかず,毎年買い替え需要が発生するものでもない★ある日,店先で仏壇を解体している店主を見かけた。古い在庫を廃棄するのかと思いきや,仏壇の洗濯という保守サービスの最中だった。四半世紀前の話だ★新興のアパレルブランドが,服の袖や首元の生地を交換するサービスを開始するという。事業者にしてみれば,保守には市場や顧客との接点を保つという大きな意味がある。お気に入りを長く使えて,環境にも優しいことは,消費者生活にもプラスだ★“一家に一台”“一人に一台”もあれば,“みんなでシェア”もある。“よりどりみどり”の楽しさと,“拘りの一品”の豊かさと。懐事情が絡んでくるのも必定。さて,この先どう読みますか。
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